循環器科

循環器科について

心臓疾患においては、ここ数十年の間に生活習慣の欧米化が進行するとともに疾病構造が変化し、虚血性心疾患が主体となっています。
虚血性心疾患の予後を規定するのは、急性心筋梗塞や不安定狭心症、虚血性突然死と総称される急性冠症候群の発症で、これに対しては救命だけでなく、その後のQOLを考慮した治療を行っております。
また、これらの疾患の一次・二次予防も大切で生活習慣病(高血圧、糖尿病など)の管理もおこなっています。急性冠症候群の発症は予測できないため、可能なかぎり最高の医療を受けられるような体制をとっています。
心筋梗塞や心不全、不整脈の発作など、循環器すべての急病に対応します。例えば、胸痛にて救急車で搬送された方が病院到着から心筋梗塞の診断が付くまで約5分、心カテーテルの準備に15~30分で治療が開始できます。
今後も患者さんが治療および予防による利益を最大限に得られるよう努力していきたいと考えています。心臓疾患で苦しんでいらっしゃる方、生活習慣病に伴うリスクファクターをお持ちの方など、お気軽に当診療科へご相談ください

取り扱う主な疾患

狭心症・心筋梗塞・心不全・弁膜症・心筋症・不整脈・高血圧

カテーテル治療

心臓自体に酵素や栄養を送っている血管(冠動脈)が狭くなったり詰まることにより心臓の機能に障害を及ぼす代表的な疾患に狭心症や心筋梗塞があります。
これらの程度を把握して治療するために手首や足の付け根部分の動脈からカテーテルを挿入し心臓まで進め先端に風船が付いたカテーテル(バルーン)で狭くなっている血管を押し広げ、必要があれば押し拡げた状態を保つためにステント(金属の網目状の筒)を留置することで血流を良い循環に改善します。

心臓超音波(心エコー図)検査(経胸壁、経食道)

超音波を利用して心臓の収縮や拡張という機械現象を評価する非侵襲的な検査法で、すべての心疾患に適応があります。探触子を左胸にあてて調べる経胸壁的なものと、胃の内視鏡のように経口的に食道まで探触子を運び測定する経食道的なものがあり、双方とも心臓の大きさ、形態、弁機能、ポンプ機能、負荷の程度を測定することができます。
経食道的なものは経胸壁的なものに比べ画像が鮮明で心臓内の微少な異常構造物の検出を得意とします。特に脳塞栓症の原因となる左房、左心耳内血栓や感染性心内膜炎の疣贄(細菌塊)の検出に必要な検査です。その他にも先天性心疾患の欠損孔や異常血管の存在、下行大動脈解離の有無の確認にも有用です。
主に全身倦怠感、易疲労感、動悸、足のむくみや労作での息切れなど漠然とした症状を自覚している方は検査されることをお勧めします。

冠動脈CT

冠動脈CT検査は入院の必要なく外来で施術でき心臓のカテーテル検査と異なり、非侵襲的に冠動脈評価がおこなえます。検査費用も安価であるため気軽に評価のできる検査です。

心電図

心臓の活動によって生じる僅かな電気を胸や手足に取り付けた電極から読み取り、グラフとして描き出したもので、心筋の興奮という電気現象を調べる検査法で、心室肥大、不整脈、狭心症、心筋梗塞など幅広い心疾患に適応があります。

ホルター心電図

日常生活での心臓の動きを24時間記録するものです。これにより労作性狭心症や不整脈を発見することが容易になります。

トレッドミル心電図

心電図をつけた状態でベルトの上を歩く運動負荷を行っていただき、不整脈や狭心症など冠動脈疾患の症状や心電図の変化を調べます。

心臓電気生理学的検査

電極のついたカテーテル(細い管)を手や足の血管から心臓に到達させ、心臓の様々な場所の心電図を記録し、電気刺激を行うことにより異常の有無を調べます。不整脈の正確な診断、重症度判定、治療方針決定のうえで最も一般的な検査です。

  • カテーテルアブレーション
  • ペースメーカ植え込み
  • 植え込み型ループ心電計植え込み術

医師紹介

江角 仁志

職位

  • 循環器内科部長

略歴

  • 1995年

    昭和大学医学部 卒業

  • 1999年

    昭和大学 大学院 修了

学会・専門医

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本心血管インターベンション学会 認定医

古谷 充史

職位

  • 超音波科科長

学会・専門医

  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本循環器学会 循環器専門医

荒井 悌子

学会・専門医

  • 日本内科学会 認定内科医

石川 貴将

鈴木 健悟

山本 祐実

実績 【2021年4月1日~2022年3月31日】

術式件数
経皮的冠動脈ステント留置術170
経皮的冠動脈形成術30
ペースメーカー挿入術21
経皮的カテーテル心筋焼灼術54

診療設備

当院に導入されたFPD(フラットパネル検出器)式血管撮影装置(DSA)は従来の方式よりも歪みのない鮮明な画像が低線量で撮影することができるため、微細な血管の描出、大幅なX線被ばくの低減が可能になりました。心臓血管を含む全身領域を対象とし、高精度で安全な検査・治療が行えます。
その他の特徴として高速で回転をしながら撮影し、専用画像処理機器で画像処理することによって三次元表示や、CTのような断層画像を表示することも可能です。

4階東病棟に循環器すべての急病に24時間体制で対応できるHCU3床を設置しています。

認定施設

日本循環器学会認定循環器専門医研修施設

日本循環器学会が認める循環器専門医の習得に必要な一定基準の設備、技術を所有している病院として研修施設に認定されています。

外来担当医

午前午後
石川
江角 / 山本宇佐美★1
鈴木
江角
古谷正司★2
江角 / 担当医

★1 13:30~15:30迄の【完全予約制】の診察となります。
★2 第1・3・5週 13:30~15:00の診察となります。